動悸・息切れ・胸の痛みなどの症状のある方へ

心臓の働きとは?

心臓は、全身に血液を送るポンプです。

心臓から血液を押し出した時の圧力が、血圧に直接影響を及ぼします。

全身の臓器は、心臓から血液が流れてきて栄養供給・酸素供給されることで、臓器機能を発揮することが出来ます。


脳、肺、肝臓、腎臓、筋肉、皮膚に至るまで、人間の体を構成するものすべては、心臓から血液・酸素の供給を受けることで機能しています。(心臓も冠動脈を介して心臓自身に血液を供給して動いています。)


心筋梗塞や心不全を起こし、ショック状態に陥ると、全身の臓器への血液の供給が出来なくなってしまうことで、脳への血液の流れが減りめまいが出たり、意識を失うこともあります。

また腎臓への血液の供給が減ると腎不全となり尿が出なくなります。

ショック状態が続けば、臓器への血液供給不足で多臓器不全に陥り、最悪死に至ることもあります。

それほど心臓はからだの中で重要な役割を果たしています。

心臓の電気回路(刺激伝導系)について

心臓は、心筋という筋肉で出来ており、心筋は電気刺激によって収縮しています。

心臓には『洞結節』というペースメーカーを生まれつき備えており、心臓の筋肉内には電気回路が張り巡らされています。

洞結節』から発生した電気パルスは、心臓の筋肉内の電気回路を伝わって心臓全体に伝わり、電気の流れに沿って心筋が収縮することにより、心臓全体を血液を押し出すポンプとして機能させ、心臓内の血液を大動脈を介して全身に押し出します。


この『洞結節』に何らかの障害が発生したり、あるいは心臓内に張り巡らされた電気回路の断線が起こると、脈拍が極端に遅くなることがあります。

これが、『洞不全症候群』や『房室ブロック』などといった病気です。

脈拍が極端に遅くなると、血液ポンプとして血液を押し出すことが出来なくなるため、血圧が下がり、脳への血流が減った結果、『めまい』『立ちくらみ』『失神』といった重大な病態につながることがあります。

そういった状態が続くとし心不全を起こしたり命にかかわるため、それを補うために『ペースメーカー』などの処置が必要になるわけです。

また、心臓内の正常な電気回路以外に、『異常な電気回路』が存在すると、『余計な心臓の電気収縮』が発生し、それを『動悸』として感じることになります。

不整脈が発生すると、『瞬間的な胸の違和感』『動悸』『胸の痛み』『胸の圧迫感』『胸の詰まるような感じ』など様々な症状の感じ方をします。

『瞬間的な動悸』は『期外収縮』といわれる単発的な不整脈であることが多く、若い方にも多く見られます。

『瞬間的な胸の違和感・圧迫感』『胸の詰まるような感じ』などを感じている方は、一度『24時間ホルター心電図』の検査をお勧めします。

どのような時間帯に、どのような状況で(何をしている時に)、どのような不整脈が、どのくらいの頻度で出現しているのかを、確認することが出来ます。        

心臓自身を栄養する冠動脈

人間の心臓は1日10万回拍動しており、ポンプとして動き続けるために大量の酸素・エネルギーを必要とします。


心臓は、全身に血液を押し出すのと同時に大動脈の付け根にある『冠動脈』を介して心臓自身の筋肉にも血液を送り込んでいます。


心臓自身を栄養する『冠動脈』に動脈硬化が起こり血管が細くなって血液が流れにくくなると、心筋が酸欠になって胸が苦しくなるのが、いわゆる『狭心症』です。

『胸が痛い』 『胸が苦しい』 『胸が圧迫されるような重い感じ』

『胸が絞めつけられるような感じ』 『背中の方が痛い』などの症状が出ます。


この冠動脈が完全に閉塞してしまって、時間が経つと、心臓の筋肉に酸素が回らずに『心筋が壊死』します。

それが心筋梗塞です。心筋梗塞が起こると、心臓の筋肉が動かなくなるため『ショック状態』や『心不全』を起こします。最悪生死にかかわる状態となります。すなわち、狭心症とは『心筋梗塞の前段階』なのです。

『胸が痛い』『胸が焼けるような痛み』『胸や背中が焼けるような痛み』などの症状として感じます。

『胸の痛み』『胸の圧迫感・締め付けられるような感じ』は、『心臓の悲鳴』なのです。

そういった症状が頻繁にある方は、早急な検査・診断・治療が必要ですので、是非お早めにご来院ください。

心臓の逆流防止弁について

〇人間の体内で血液は一定の方向に流れ、循環していきます。

全身の臓器・組織➔大静脈➔(右心房>右心室>肺動脈➔ 肺 ➔肺静脈➔左心房>左心室>大動脈)➔全身の臓器・組織へ➔大静脈➔心臓へ

と一定方向に流れていきます。

血液が一定の方向に流れていくために、逆流防止弁が備えられています。(三尖弁、肺動脈弁、僧房弁、大動脈弁)

これらの弁が確実に閉じないと、そこで血液の逆流が生じます(心臓弁膜症)。

心臓は1日10万回動いています。したがって心臓弁膜症があると、1日10万回血液が逆流を繰り返すことになります。

それが何十年か経つと、年々心臓の負荷が蓄積され、それが心不全の原因になる場合があります。

『心雑音』を指摘された方の原因の多くは、『心臓弁膜症』です。心臓超音波で診断できます。

加齢とともに心肥大・心不全・不整脈の原因となる場合があるため、健診などで指摘された場合は放置しないで是非ご相談ください。

心臓が血液ポンプとして正常に機能するために・・・

〇心臓が、本来の役割であるポンプとして働くために、・・・

①冠動脈(心臓自身を栄養する血管)

②刺激伝導系(心臓の電気回路)

③弁(心臓内の逆流防止弁)

が正常に働く必要があります。


①~③がうまく機能しなくなると、・・・

虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)/不整脈/心臓弁膜症・心不全 などの病気が発生することになります。

心臓疾患の検査

〇心電図

・虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)の診断

・不整脈の診断

・高血圧・心肥大の評価など、心臓疾患の基本的な検査です。

〇胸部レントゲン

・心臓肥大の評価

・胸水の有無

・肺の状態

を確認する基本的な検査です。

〇心臓超音波

心臓の機能の正確な評価をするために、非常に重要な検査です。

・ポンプ機能の評価

・弁膜症の評価

〇心臓弁膜症

心臓の弁の開閉がうまくいかないと、心臓の収縮の度に血液の逆流が起きます。

心臓は1日心拍数は約10万回あります。

心拍の度に逆流は起きており、心臓負荷は年々蓄積され、長期的には心不全や不整脈の原因になります。

〇24時間ホルター心電図

『動悸』『胸の痛み』『胸の重い感じ』『胸の瞬間的な違和感』『めまい』等の症状は不整脈や狭心症が原因のことがあります。

外来での数秒間の心電図では診断がつかないことが殆どです。

そこで、携帯型心電図記録装置を装着していただき、自宅にお帰りいただき、普段と同じ生活をしていただきます。(お仕事や家事も通常通りにしていただきます。)

長時間記録することで、不整脈や狭心症の発作を捉えやすくし、診断・治療につなげることが可能です。


〇ホルター心電図検査の流れ(取付日〜取外し日で、連続2日間の来院が必要です。)

①外来でホルター記録装置の装着

記録装置を装着したら、出来る限り普段通りの生活をしていただきます(約24時間記録(24時間未満でも可))

(仕事・家事・飲酒・シャワーも可)(※防水型でシャワーも可能です)

翌日外来受診し、記録装置の取外し。そのまま10~15分程度お待ちいただき、結果説明となります。

心臓疾患の治療

〇上記の検査を行い、心疾患の診断を行います。

・心筋梗塞の場合は、緊急性が高く、直ちに高次医療機関への救急搬送で治療にうつる必要があります。


・狭心症を疑った場合は、確定診断をするために、連携医療機関への紹介をします。

まずは一般的には、運動負荷検査(トレッドミルなど)、『冠動脈CT』(造影剤を用いた心臓CTを撮影することで、心臓を栄養する冠動脈を描出します)を行い、『冠動脈の狭窄の有無』を確認します。

検査で明らかな冠動脈狭窄が確認された場合には、後日入院をして『冠動脈造影検査』を行い、血管造影検査で狭窄が確認されれば、そのまま『冠動脈形成術(カテーテル治療)』を行います。


・『不整脈』の場合は、ストレス要因が原因の場合は生活習慣の改善による経過観察。必要に応じて内服治療を行います。

不整脈の種類によっては、薬物治療では無く『カテーテルアブレーション』での積極的治療を選択する場合があります。

徐脈性不整脈で心不全や失神などの症状を伴う場合は、『ペースメーカー植込術』が必要になるケースもあるため、その場合は高次医療機関への紹介を行い、治療を行います。

狭心症・不整脈の検査・治療

『狭心症・不整脈の検査・治療』(→専用ページに移動

ご来院される患者様へ

・どの病気にもいえることですが、早期発見・早期治療が重要です。

・心疾患は、心不全を起こしてから来院された場合には、緊急入院となってしまうケースも少なくありません。

・息切れ、動悸、足の浮腫み、胸の痛みは、心疾患や肺疾患のサインです。

・心不全も症状の軽いうちであれば、外来治療も十分可能です。

・症状の軽いうちの来院をお勧めします。健康診断で異常を云われた方も、お早目の来院をお勧めします。

・また、当院は下記の医療機関と医療連携を行っています。当院でできない検査が必要な場合、カテーテル検査や手術等の必要な場合に、下記の連携医療機関への紹介を行っております。

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